先生、どうか皆の前でほめないで下さい【本紹介】

 時代によって若者にどんな傾向があるかは変化している。金沢大学教授の著者が、最近の若者について感じたことを本書ではまとめれれている。(2022年に発行)

著者は「いい子症候群」と名付けている素直で真面目ないい子が比較的多いといっている。

そしてそういう子は、どういった傾向にあるのかというと、タイトルにもある通り「皆の前でほめないでください。」と、とにかく目立つことを恐れており、グループでの決め事などで発言もせず、浮かないように周りに合わせて、競争したくないといった心理のようだ。

こういった子が社会に出ると自ら動くことをしないので、ずっと指示を待つといった恐ろしいことが起こる。上司の立場からすると、指示をすると素直に仕事をするので、真面目でやりやすいのかと思って目を離すと、作業が終わっていて何もしていない指示待ち状態になっている。そういった若者にどうやって接するか非常に戸惑う状況になる。

何故そう言った若者が増えているのかということについてと、最後に「いい子症候群」の若者に向けたアドバイスで締めくくっている。

感想として、いい歳したおっさんですが若い人と仕事をしたり、話すことはめったにない。そういった私には衝撃的な内容でした。

日本人の意地悪な性格がこうした若者を生んでいるとあったが、協調性を強要し出る杭を打つ日本では、個性を発揮する人は生まれにくい。出る杭を打つ光景は、おじさんの時代も割とあった方だが、最近は小さい時からSNSなどで触れる機会が増えててきているため、より傾向が強くなっているのではないでしょうか。

著者の最後のアドバイスで、失敗を恐れずにチャレンジしてほしい、そしてそういったチャレンジしている人を馬鹿にしないでというようなことを書かれており、完全に私の思っていることを代弁してくれている🤡

著者のなって欲しい理想の若者像で、成瀬は天下を取りにいくの成瀬のことを思い出した。本紹介時に似たようなことを語っているので、具体的にそういった人になればこういうストーリーもあることを読んで感じてほしい。

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