体はゆく【本紹介】


 今回紹介させていただくのは「体はゆく」です。著者は美学者の伊藤亜紗さんです。

体が「できなかった」ことが「できる」ようになるのはどういったメカニズムなのか?ということを科学者/エンジニアの最新の研究から紐解いていく内容となっています。スポーツ、楽器演奏など体を使った事をやる人や、その教育者や家族などにおススメの本となっております。

■内容

体は自分の思った通りに動かせるわけではありません。もし思った通りに正確に動く仕組みなら、新しい動きを習得することができません。それではどういった事が起きているのか、色々な事例から見ています。

例えば、けん玉をVRで行える製品があります。なんでわざわざVRでと思いますが、VRのバーチャル空間では玉のスピードが遅く設定されており、そこで技を5分トレーニングすると、リアル空間でも9割以上の人が技を習得できたというのです。このことから体にはバーチャルもリアルも関係なく、経験値がたまるということです。

そのほかにトップアスリートの体の動かし方で、野球の桑田選手の投球フォームが、毎回異なるのに正確な位置へ球に投げられているといったことについて実験、分析など行っておりめちゃくちゃ興味深い内容になっております。

■感想

体と意識のビックリするような関係を知ることができました。AI将棋とかの頭脳競技のデジタル活用も進んでいますが、スポーツの方もデジタル活用が進化していき、今までにいないスピードで技能習得し、今まではない素晴らしい選手が誕生していくんじゃないでしょうか。

驚異的な動きをしている人に、自分がどうやって近づけるかのヒントになる本となります。

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