子どもを呪う言葉・救う言葉【本紹介】


 全力脱力タイムズで活躍されている、犯罪心理学者である出口先生の著書であります。

1万人を超える犯罪者・非行少年を心理分析を行ってきた著者が、親が何気なくかけた言葉が「呪いの言葉」となり、子どもの人生を狂わせることがあることに気づきました。それを子育ての本として1冊にまとめたのが本書です。

6章にかけて実際の事例にフィクションを加えた形で紹介されています。序章は親の在り方のアドバイス、終章では娘2人を育ててきた著者自身の経験をもとにしたアドバイスが記載されています。

著書の中で”子どもは思っていることの1%も口に出せない”という言葉がありますが、まさにこれがすべてにつながっていると思います。思ってても言えないことは多いので、コミュニケーション不足によりボタンの掛け違いが起こり、それが歪みとなって子どもの成長にブレーキをかけています。

具体的な呪いの言葉として「勉強しろ」など自身も言われていた言葉がありました。これでは何故なのか、どういった意味があり勉強してほしいのか、といった両親の思いが子どもには伝わりません。日本人の言葉足らずなところは美しく描かれることもありますが、複雑になった今の世の中には合っていないんでしょうね。

以心伝心とまでなるためには、お互いの思いを言葉としてたくさん交わしてきたからこそ、起こるものなのかもしれません。

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