ひじこうです。
みなさん、新しく思いついた料理を形にしてもいまいちな出来だったり最悪材料を台無しにしたりってことよく?ありますよね。
一流料理人の料理のアイデアとそれをどうやって表現しているのかを学べる本になります。
柴田日本料理研鑽会*1の一流日本料理人9名が12の野菜をテーマに料理を作りあれやこれやと議論する様子を覗き見るという内容になります。この中で料理のアイデアとその形にするまでのヒントがいただけるかもしれません。(*1村田吉弘さん:菊乃井など一流店のメンバーが名を連ねております)
本書を読んで感じた大事だと思ったことが3つあります。
- 料理は化学
- 料理は相性
- 料理は引き算
1.料理は化学
はじめにで村田さんが料理人は論理的に考えるため科学者でなくてはならないと言っています。本書の中で「風味や食感を活かすには何度で何分熱を通す必要があるんです。」など感覚ではなく狙って調理をしている部分が多々出てきます。そこに達するまでに試行錯誤があったと思います。正解に近づけるためいろいろな手段yあ繰り返しを行うのは化学そのものです。
2.料理は相性
相性というのは料理を作るうえで幅を広げる手助けになります。定番や記憶にある組み合わせを再構築することで新しい料理を生み出すきっかけになります。他に新しい調理法での料理を食べてそこから発展させた料理を思いついたりしています。無数にある組み合わせの中からベストな選択肢を選ぶ手助けになるので日頃感じたことをストックして引き出せるようにしているのが一流料理人との違いかもしれません。
3.料理は引き算
ついいろいろと足してしまうことはよくあります。伝えたいポイントを絞って引いて引いて素材のこの部分を味わってくれ!というのが日本料理の真骨頂である素材を活かすということなのかもしれません。村田さんは素材の持ち味を生かすのは料理人として当たり前のことだと言う場面があり、なるほど素材のどこを活かすかというトレードオフをうまく行っていくことが一流料理人の違う部分なんだと感じました。
本書の進行はテーマとなる素材(野菜)、柴田日本料理研鑽会Aチーム調理→議論、日にちを空けてBチーム調理→議論、素材の美味しいポイント(科学的な解説)と出てきた料理との関係、素材の代表料理という流れで12品つづき、最後に(味の素)川崎寛也さんによる料理人がどういう考えでその料理に至るかを科学的に分析しています。日本料理とフランス料理で料理人がどういう考えで料理に至っているかという分析は必見です。
私も食材研究というコーナーもやっていますがこんな感じでやりたかったんだなと思い出させてくれました。そして久しぶりに読んでなぜこの料理が失敗したか分かった部分がありましたので紹介します。
・ジャガイモのシャリシャリとした食感の出し方について
食感をシャリシャリにするには糊化を防ぐ必要があります。その方法にはさっと火を通してから一気に冷やす方法と切った後に水にさらしてから火を通す方法があります。最近の作り置きで「じゃがいもとにんじんのきんぴら」をほっこりさせてしまったのはアクを抜く必要はないと思い水にさらさなかったため起こりました。アクを抜く効果のほかにシャリシャリ食感にする効果があると知らなかったためです。
・料理の再構築について
肉じゃがでも小林 カツ代、土井 善晴さんで全然調理工程が違います。カツ代さんはすき焼き風に調理しており玉ねぎを炒めてすき焼き肉作ってジャガイモ水を加えて煮る。土井さんは1/4の肉とジャガイモを炒め焦げ目を作って肉の残りと野菜と最低限の水分(酒)を入れて蒸し煮するという工程になり、カツ代さんが炒める→煮る、土井さんが炒める→蒸すと調理の方法が異なるということです。もっとちがう感じで考えると野菜を蒸した後(orレンチン)片栗粉まぶした肉とともに素揚げして出汁+醤油+砂糖+みりんの餡をかけるのも再構築した肉じゃがということになります。材料をそれほど変えずに新しい形を考えるという方法は家庭料理ではお手軽にできるのでオススメです。
登場人物が京都の料理人ばかりやけどキャラがたってて文章見るだけで面白い内容となっておりオススメです。
村田さんとかそんなに若くはないけど海外の色々な料理を取り入れたり他メンバーも新しい調理器具を積極的に使ったりとチャレンジする姿勢を見習わなくてはと身が引き締まる思いです。
来年はオーブン買うz・・・気が向いたらなー!
それじゃまた!
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